ボディートークコラム

直感力を磨こう

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振動数を言い当てる能力

マツタケを見つけ出す名犬がテレビで紹介され ていました。 飼い主と共に山に入ると、 さかんに 匂いを嗅ぎまわってマツタケの生えているところ へ急行し、見つけるや否やバクッと食べてしまい ます。 飼い主はあわてて犬を引き戻し、 近くのマ ツタケを掘り起こすという段取りです。

犬の嗅覚は人間の1000倍ほど鋭いと言われてい ますから、この能力に関しては私たちは全く脱帽せざるを得ないのですが、 人間だってなかなかど うして、動物にはできないすばらしい直感力を有 しています。

今、仮に空気中に起こる空気の振動数を、機械で測定している宇宙人がいるとします。 彼は色々装置の工夫をしてやっと今の空気の振動数は、1秒間に440回で
あることを知ったとします。 ところが私の耳なら、今の振動数は440回だったか445回だったかぐらいなら、一瞬にして判断することができます。

即ち空気の振動は音となって私たちの耳に響きますから、1秒間に440回振動すればバイオリンの上から二番目の弦、ラの音が鳴っているのです。 このラの音は国際標準ピッチで440振動と定められていたのですが、 第二次世界大戦後から少しずつ高くなって、現在ではオーケストラの演奏会ピッチは445になっています。

だからピアノで同じラの鍵盤を押しても440振動に調律してあるのか445に高めてあるのかは響きで認識できるのです。 音を感じなくて、振動数だけを測定できる宇宙人にとっては、この人間の能力は不思議以外の何物でもないでしょう。

人間の思考能力も、 空気の振動数と音現象との関係に似ていると私は思います。高校時代に数学の問題を解いていて思い当たったことなのです。 ひとつの 問題を丁寧に解いて、その論理の道筋が頭の中できれいに整理されると、次に数値は違っていても同じ論理で解ける問題は直感的に 「解ける!」 と判断できます。

この時、私の頭の働きは、数式で、或いは言葉で、ここはこうなって次はこう展開して、 従って答えはこうなるというようには巡っていないのです。

AからB、BからC、Cから・・・と行く論理が、 例えばひとつの色合いとなって浮かんでくるのです。 だから新しい問題を解く時はこの色 (という論理)を足してこの色合いで解ける、 というように進みます。 するとまた新しい色という論理体系を身につけたことになって、次の問題へ一瞬にして応用できる、ということになります。

頭のひらめきが豊かな人は、 何がどうしてこうなるという直感の色合いをた
くさん持っているのです。 だから難問にぶつかった時も、一瞬にしてこうすれ
ばいいと判断できるのですが、 何故そうなのか説明してほしいと頼まれると、
色合いをもう一度言葉に直さなければならないので、 大変な作業を強いらこ
とになります。

ボディートークの体系も同じです。 私の中に、 これはボディートークという色合いがあります。 だから一つの動きや考え方に出会った時、ボディートークの色合いに合わなければ、 それはボディートークではない、と即座に言うことができ
ます。

しかし、それを説明するとなると、言葉の論理を引っ張り出すのに四苦八苦することになります。人は飛び降り自殺をする時に、飛んでから地面へたたきつけられる数秒間に人生の全てを思い出すと言われています。 奇跡的に助かった人がそ
う言うからです。

ひとつの色合い

本部のマンションを改装してくれた大工さんが若い時、 オートバイに乗って
いて車に追突しました。 その瞬間、 体が宙に舞ったそうです。 「俺はもうダメ
ダ」と思った時、子供から今までの記憶が全部よみがえってきて、地面に落ちて気を失いました。

ほんの一、二秒の間にそんなにたくさん思い出せるものかと、 信じられないかも知れませんが、 思い出の連なりがひとつの色合いになっていると考えれば
2、3年がひとつの色になっているのですから脳裡にいくつかの色が次々と現われたと考えれは充分に納得できます。

その意味で、人生のひとつひとつの出来事を丁寧に味わって、ひとつひとつを自分の色として深く身につけたいと思っています。

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