ボディートークコラム

ホラ見て、僕できるようになったよ(赤ちゃんの泣き声をよく聞いてみて)      

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♪ なの花畑に 入り日 うすれ
    見わたす 山の端 かすみ深し ♪

あけまして おめでとうございます

新たなスタートの年として新鮮な気持ちで迎えています。心はもう春めいて、ボディートークの花の蕾があちこちで膨らみ、喜びが湧いてウキウキしています。ボディートークの内容が、よりわかりやすく、より深く、より豊かなものになっている感覚があるからです。

例えば、東京での自然発声法もコーラスで≪おぼろ月夜≫を歌い始めると、 自分の体が、淡いおぼろ月の光や、菜の花の匂いに包まれ、かすかに響くお寺の鐘も聞こえてきてうっとり…、という感覚になれます。

一瞬にして心・体・頭を スッキリ、ふんわりまとめることができる≪ボディーメッセージ≫も月例会に 通っている人なら当然の事のように誰もがすぐに出せるようになり、ボディートークベイビーも去年ぐらいから全国で次々と誕生。三世代に渡ってボディートークが、生活の中で当たり前にある家族も増えてきて、嬉し い限りです。

● ママと一緒に毎月参加してるよ

ボディートークで子育てされているママの、嬉しい報告をさせていただこうと思います。

名古屋のK君はママのお腹の中にいる時から月例会に参加しています。
毎月、朝9時からの≪赤ちゃんのための歌≫のプライベート・レッスンから始ま
ります。その後の基礎講座、昼食もテーブルを囲んで参加メンバーと仲良く済ませます。

午後からは朗読講座を、3時までママと一緒に受講しています。去年の11月で 1才になり、伝い歩きもずいぶん上手になりました。穏やかで物事を深い息で 捉えることのできる集中力のある落ち着いたK君です。

● すぐに泣き出すK君

普段は一日中ママと二人っきりで過ごしているK君ですから、ちょっとでも ママが離れるとすぐに泣き出します。するとママは大慌てで走ってきて「K君。 ゴメンネ、ゴメンネ」と言いながらすぐさま抱き上げます。

≪赤ちゃんを泣か せてはいけない。赤ちゃんを泣かせては可哀そう≫と思っているからです。そこで私は質問しました。「泣き声をよーく聞いてみて~。急いで抱っこしなければ、いけない泣き方かな?それとも少しくらい泣いても大丈夫な声なのかな?」

ママは少し困った様子です。泣き出すといつもすぐにママが飛んできて抱っこするので、K君は自分から「ママ抱っこして!」と手を伸ばすことも、自分でハイハイしていって、ママのところへ動いていくチャンスは、ほとんどありません。

● ちょっと待ってみよう

「K君が泣いてもすぐに抱っこしないで、 ちょっと待ってみては?」ママはK君が 手を伸ばせば届くくらいの所から近寄って「『ホラ、ママはここにいるよ、ここにおいで』ってK君へ手を差し伸べ ながら言ってみて?」「最初は泣くけど根気よく『K君、さぁ~おいで!!』 って諦めず、やさしく暖かい声で呼び続けてごらんなさい?」

するとどうでしょう。しばらくするとK君は泣きながらもハイハイをして、 ママの手のところまで動いて来たのです。そしてしっかりママの手を掴みました。もうママは涙でいっぱいです。

● できたら、いっぱい褒めてあげましょう

「『すご~い!やったねぇ~!K君えらかったね! できたねぇ、ママの所まで来れたねぇ~!!』っていっぱい褒めながら抱っこしてあげましょうね。」K 君を待っている間は、ママはもう泣き出さんばかりの悲しい顔をしていましたが、大成功です。

K君は自分の力で出来たのです。私の方をチラッと見ているK君 に「できたねぇ~!」と手をパチパチたたきながら褒めるとK君はニコッ。そしてお尻をフリフリ、自分でもア~と声をあげながら拍手し始めました。「そうそうその調子、出来るようになって良かったね。ママもよく頑張ったねぇ~」と言うとK君もママもニコニコ。

セミナーを受講している6時間の間に、こういう場面は何回かありましたが、その度に、諦めずに「さあ、おいで」「よくできたね~」を繰り返しました。すると、もう帰る頃にはすっかり≪K君の力を信じ、K君が自分でできる≫という自信を育てていけるママへと成長していました。K君も沢山褒められ「ホラ、見て。僕、やれるようになったよ」と誇らしく、ご満足の表情です。

● 親を奴隷にしてしまう

「良かったなぁ~」と、私もひと安心。何故ならこのステップをクリアしないで成長していくと、いずれ子どもは親を奴隷化して「自分の言うことはなんでも聞 いてくれるのが母親」という方程式が脳に刻み込まれていくからです。

母親を奴隷にしながら、自分の望むもの、望むことを自分の努力なしにホイホイと手にすることができる体験を繰り返していく子ども達。そしてその子どもがそのまま思春期を迎えると、もうどうにも手がつけられない状況へと移行してしま うのです。

全てを親のせいにする、子どもへと成長していってしまうのです。

以前にも書きましたが、野生に生きる動物の鉄則≪自分のエサは自分の努力で得る≫ことはとても大切なことです。そして人間にとっては“自分の望むものは自分で行動し、努力しゲットするもの≫この喜びが、自分の生きる力を高めていくのです。

K君とママの今日の笑顔は、この喜びに満たされた心地よいものだったことでしょう。良かったねK君。

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