物事を身につけるには、頭も心も体もひとつとなって、全身でかかわる事が効果的であることは、皆さんもご存知の事と思います。私も幼い子ども達にバレエを長い間教えてきた経験から、動きの形を真似ながら、繰り返し練習するよりも「ホラ、この足の筋肉に触ってごらん、こんなに力を抜いて動 いているのよ」と、直接、私の足に実際に触れさせながら、筋肉を固くした時と緩めた時の両方を比較させながら教えると、すぐにその動きができるよう になっていました。
ボディートークを学んでからのレッスンでは、それに加えて「体の中をお水のように揺らすのよ」とか「お水が凍ると氷になって固くなるでしょう」とか 「お水を沸かすと湯気になっていくのよ。だから、体の先端が湯気のように空気に溶けるようにファ~ッって跳んでごらん」とか、動きのイメージを声と動きにしながら(内動と声をひとつにして)伝えると、見事に子ども達の体の感性が高くなっていくのが分かりました。
( 1 才のお誕生日が間近なTちゃんは、最近小さなお手てで興味あるものを次から次へと触っていきます。大人では到底入らない、小さな穴の中に指を突っ込んでみたり、つまみをつねったりします。この頃になると、赤ちゃんはお母さんの口の中に指先を入れてきます。
そんな時、お母さんは楽しんでみて下さい。まず赤ちゃんの指先をよ~く きれいに拭いて、そっと口に含んで下の先でチョンチョンしたり、クルクルなめたり、チュチュ吸ってみたりすると…、赤ちゃんはちょっと不思議な表情をします。そしてすぐにニコニコと楽しそうに体をくねらせます。
体の先端にまで神経回路が発達しますと、敏感になり、急速な勢いで脳が発達する大切な時期 です。口の中に含んだ指先に、舌で刺激を与えると同時に、赤ちゃんの舌もよく動き、ヨダレが流れそうになってきます。動物は、自分の生きる為の食べ物を舌で安全をよく確認してから体内へ取り込みます。人間は、舌だけでなく、まず手に取り、指先の感覚を鋭くすることによって、もっと安全 に食べ物を選択できる知恵を得たのかもしれません。
赤ちゃんが何でも舌でなめて確認していた時期から指先で確認していく時期への移行の時、お母さんも一緒にいろんな物を、目を閉じて触れ、もう一度新鮮な思いで指先の感覚を楽しんでみたらどうでしょう。
そして、この時期に赤ちゃんは自分の足で立ち上がり、歩き始めますが、手の指先と同様に、 足の指先は、今度は自分の体重のバランスを微妙にコントロールするための学習が繰り返されながら、起立筋とその神経支配を身につけていく重要 な役割を担っていくのです。ですから、手や足の指先に、様々な刺激を与えて、 楽しみながら、その発達に磨きをかけてあげてください。
赤ちゃんの足の裏を手で「グーン」と軽く押して下さい。すると、必ず押し返してきます。それを少しだけ待ちながら、その緊張をほぐすように「ワッ!」 と離すと、とても喜びます。それは自分の足で、一人で立ち上がる時の力の関わり方への刺激へとつながっています。お母さんも自分が赤ちゃんになっ たイメージで、やわらかい声を出しながら、是非赤ちゃんと一緒に遊んでみて 下さい。
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