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積極的に目のリラックス!!

コロナ旋風で4月から始まったボディートークのオンラインレッスンですが、今では全国の会員さんがラインレッスンを楽しんでくださるようになってきました。10年前までには考えられなかった方法です。学校でも家庭でも、オンラインが常識になりつつあります。

でも、1時間から2時間のレッスンでタブレットを見続けていますと、けっこう目が疲れているのです。目の疲れをとるためには、眼輪筋やまわりの筋肉を小まめに動かして毛細血管の流れをよくする必要があります。そこでお勧めなのが、目の運動です。

● 目の「チラッ・ン・パッ」
①顔を正面に向けたまま、右横に立てた指を3回チラッ・チラッ・チラッと見ます。
②目玉を正面に目を閉じます。「ン」

③正面に大きく目を見開き、口も開きます。「パッ」

声とともに威勢よく行って下さい。左横目、上目、下目、グルッと右へ3回まわして「パッ」、左へ3回まわして「パッ」。最後に首をウワァ~と言いながら右へ一回転、左へ一回転、仕上げはパシパシパシッと何回か瞬きします。よくやったという意味の目による拍手です。

目の筋肉をリラックスさせることと、毛細血管の血流をよくすることで眼精疲労を解消する、抜群の「瞬間マメ体操」です。

(バリ島のケチャックダンスの踊り手たちが目の表情を豊かにするために行っているレッスンをヒントに考えました 。)           

☆ 目の「チラッ・ン・パッ」運動の方法 ☆ 

I 右横 

・顔の右側の目の高さで、人差し指を立てる。 

「チラッ・チラッ・チラッ」と立てた指を見る。 その時、顔は正面を向いたままにしておく。 

・一回ごとに、目を正面に戻して、「ン」 (軽く目を閉じる)そして、「パッ」と 目と口を大きく開く。 

Ⅱ 左横 

・左側も上記と同様に行います。「チラッチラッチラッ」 から「ン」「パッ」まで目の筋肉を細やかに使います。 

III 上 

・上にも行います。「チラッ・チラッ・チラッ」「ン」「パッ」 

Ⅳ 下にも行います。「チラッ・チラッチラッ」「ン」「パッ」 

V 目玉まわし 

・正面を向いて目を見開いたまま、右へ3回、左へ3回、目玉をグルンと回す 

Ⅵ  首まわし 

・首の筋肉をほぐしましょう。「ウワァ~」と声を出しながら、大きくまわして 

下さい。 

Ⅶ まばたきをする ・仕上げに「よくできました」と目で拍手をしましょう。 まぶたをパシパシパシと素早く瞬きをします。




「生きることにマメ」シリーズ 元気になるためにチョットした工夫③

湯船の発声 ・ 階段の上り下りは数を唱えて ・とろけ寝で一瞬にして全身のリラックスを

慌ただしい生活の中でもちょっと心がけて、頭も含めた全身のしなやかさを得るのがマメシリーズです。いわば瞬時に体や心や頭の掃除をする知恵と思っていただいてもいいでしょう。このチョットした工夫の数々を身につけると疲れも早くとれますし、息もさわやかになるでしょう。やがては、「さわやかに生きるためのチョットした工夫」(仮題)として、小さなパンフレットにまとめたいと考えています。

●湯船の発声

 朝、お風呂にゆったりとつかります。お湯のあたたかさがジワァと全身に伝わり、思わず「m~」とハミングしてしまいます。すると首から下がお湯にすっぽり包まれた中で「ムゥ~」と牛の声を響かせます。風呂場ですからエコー効果もあって、あまりの気持ち良さに耳を蓋して頭ごと湯につかります。全身が丸まって体中が響きますから、これこそ全身呼吸による全身発声です。こんな姿をみたら荘子はどのように言うだろう、と内心ほくそ笑んでいます。好きな歌をフルコースで2曲歌えば、およそ5ないし6分です。私の朝は湯船の中の心地良さで始まりますから、この習慣は一生続きそうです。念のために申し上げますが、歌声に熱中するあまり長時間の入浴は湯あたりになる恐れがありますからご用心下さい。

●階段の上り下りは数を唱えて

 階段で足を踏みはずしてケガをした、という話はよく聞きます。どうして踏みはずしたの?―考え事をしていたのでしょうかという答えが返ってきます。これは頭の神経が足を動かす神経とつながらなかったからです。こんな失敗をしないために数を唱えることにしたのです。階段の数はいくつあってもよろしい。大事な事は上り下りする瞬間に一歩一歩数えると脳の神経が足の動きと一致する、ということなのです。

私はマンションの1階に住んでいて、2階がレッスン室です。夜、暗い中でも階段の上り下りをしますが、必ず階段は数を唱えています。特に下りる時が危ないのです。外の灯りを眺めていたり、他のことを考えたりしていると、踏みはずす可能性が大なのです。呪文の如く数を唱えながら上り下りすると、余分なことに気を捉われることがないのです。

●とろけ寝で一瞬にして全身のリラックスを

 もし俳優の演技テストをするチャンスがあれば出してみたい問題があります。問題「仰向けに寝て下さい。失神する場合と腰を抜かす場合の二例を演じ分けて下さい」

仰向けに寝てもらうのは身の安全を保障する為です。失神は脳の神経がストップするので、頭から足の先まで順に気を抜いていきます。腰抜けは腰を保つ力が突然なくなって、胴や手足の感覚が遠のくにもかかわらず、目や耳や思考能力の神経は働いているという矛盾の状態です。体と心、さらには頭の働きを客観的に理解していれば出来る問題です。ところが意識的に全身をリラックスする方法は難しいですね。酒の力を借りるというのは時間もかかるしお金も要ります。気楽なおしゃべりをしたり居心地のいい環境でのんびり過ごすと言う方法もありますが、これには時間がかかります。そこで一瞬にして全身のリラックスを行う方法をご紹介しましょう。ボディートークの自然体運動である「とろけ寝」です。

【とろけ寝の方法】

立った姿勢から「トロトロトロ~」と言いながら下半身から上半身へ向けて順々に力を抜いていきます。そして仰向けに寝てしまうのですが、「とろけ寝」の方法と全身のリラックスは意識で確かめてください。すなわち、首の力が抜けているかどうか、肩や胸は力んでいないかどうか、腹部や腰部はしっとりと床におりているかどうか、腕や脚部などな無意識に力を入れていることが多いので、とくに注意深くリラックスの感覚を確かめて下さい。仕上げに手や足の指先まで脱力しているかどうか、何回か行う中で確かめる瞬間にできるようになるでしょう。おすすめは夜寝る時です。おフトンの上に横たわる時、是非、とろけ寝でぐっすり眠る習慣がつきますように。




「生きることにマメ」シリーズ 元気になるためにチョットした工夫②

真夜中の手さぐり ・ 『ニャンニャンタッピング』・ クルッと「まわり立ち」

私がバイオリンを丁寧に拭いてケースに収めている時、ライフパートナーの明喜子さんが「随分マメですね」と声をかけてくれました。それまで自分がマメであるという自覚はなかったのですが、ボディートークを始めて生命を磨く事の大切さに目覚めた頃でした。それをキッカケにマメであることを大切に考えるようになりました。そうすると日々、細かく気をつけることはたくさんあります。このシリーズはやがて一冊の本にまとめようと思います。いずれにせよ皆さんも、気がつけばせっせと行なって元気に磨きをかけて下さい。

●真夜中の手さぐり

真夜中に目を覚ますと回りは真っ暗です。真っ暗な中を隣の台所に行ってお水を飲むのですが、私は電気をつけません。真夜中を楽しむためです。寝室を出る時に机に触れたり、ソファーに触れたりしながらドアの方向を理解します。ドアの枠に手が触れたら「タコ踊り」の要領で手を挙げ、挙げた手の指先でドアの上部を探りながら、取っ手の位置に検討をつけます。ドアを閉じて廊下に出ても全て手さぐりで隣の部屋を見つけます。そして電話機を探り、机や戸棚を経て、冷蔵庫に辿りつきます。

冷蔵庫を開けるとランプがつくので、水はすぐに見つかります。三口ほど飲んでフーッとひと息ついて、再び手さぐりでオフトンに戻ります。このしなやかな動きで、結構体の様々な筋肉を細やかに使うことになるのです。楽しく人生を送ろうと思ったら、全身をマメに使うことが大事ですね。

●ハミガキの後で『ニャンニャンタッピング』

骨は時々、軽く叩いてやると丈夫になる性質があります。歯茎も骨です。ですから時々叩いてやらなければなりません。顔の筋肉の上から叩くためには、頬をニッと横に開くと叩きやすいです。それで猫のニャンニャンと鳴く声で歌をうたいながら指先でタッピングします。歌は「ジングルベル」がいいでしょう。

まず右手の人差し指、中指、薬指をそろえて顎関節から叩き始めます。右手の指は右の顎関節から、左手の指は左の顎関節から始めて下さい。そして右は歯茎に沿って唇の上部の中央まで。左は下唇の中央まで。歌いながら叩くと8拍になります。次に8拍かけてスタートラインまで戻ってください。次は左手の指は上唇へ。右手の指は下唇までいって戻ってきます。この方法で2パターン、すなわち32拍を行なって最後に「仕上げた!」という気持ちで両手をポンと叩きます。「ヘイ!」と掛け声をかけると調子が出るでしょう。

かつて私は歯医者に行くと歯茎の検査がありました。するとチクチクと痛いのです。60歳で3ヶ月入院をしたとき、毎日3回、ハミガキをしたあとニャンニャンタッピングをしました。退院後、歯茎の検査を受けたのですが、歯茎が丈夫になったのでしょう。痛まなかったので嬉しい思いをしたことを覚えています。

●クルッと「まわり立ち」

数年前に知人から立派な食卓と椅子を譲り受けました。しばらくはそのテーブルで食事をしていたのですが、椅子に座る生活をしていますと、日常動作が少ないことに気がつきました。それで食卓は座机にかえて、腰をおろして食事をすることにしました。すると食事の最中も、用事ができて立ったり座ったりすることが多くなりました。これはいいチャンスだと思い、軽く「ホイッ」と掛け声をかけて立ち上がることにしました。その時、通常の「どっこいしょ」という重い息で立ちあがると、動きが鈍くなるのです。というわけで、ボディートークの『まわり立ち』と『まわり座り』を心がけることにしました。下の写真を参考にして、しなやかな立ち方、座り方を練習してみて下さい。できるようになれば一生の得ですよ。




「生きることにマメ」シリーズ 元気になるためにチョットした工夫①

オノズカラある生命をミズカラ高める

私たちの生命は授かったものです。原始の海に数かぎりない化学変化が起こって、偶然、単細胞の生物が生まれました。その生命が次々とつながり、プランクトンになり、魚になり、多種多様な海の生物が生まれ、コンブなどの植物に加えて生物いっぱいの海になり、地上の動植物にも発展しました。地球は生物の宝庫となりました。そしてとうとう人間までも生み出したのです。その人類の生命の連続で、今ここに私たちは生きています。

 さてこの生命はオノズカラ生きるという能力とミズカラ生きるという能力を有しています。オノズカラ生きる、という力に任せっきりにすると、早々に生命は消えます。

ですがミズカラ生きる力だけに任せても、オノズから生きるという力がなければどうしようもありません。それで結論。

オノズカラある生命をミズカラ高める

ということで、今回から日常生活を様々な工夫をしてマメに実行するという私の方法をご紹介したいと思います。

●目覚めの「起き上り小法師(こぼし)」

 全ての動物は絶えず自分の体をミズカラほぐし、元気を保っています。人間もまた動物ですから、生きるためには一人ほぐしをせっせと行うのが原則です。目が覚めて起きようと考えた時、みなさんは初めに何をしますか?ボディートークを学んでいる人なら「一人ほぐしです」と答えるでしょう。私は頭をコロンコロンと左右に揺すったり、片足で一方の足を揺すったり、体を様々にのばして神経を活性化します。もちろん声を出しながらです。15分くらいゴロゴロ、ユラユラして、仕上げは「起き上がり小法師」です。歌を歌いながらマルムシになって転ぶのです。

♪ 俵はごろごろ ♪

俵はごろごろ     おくらにどっさりこ

     お米はざっくりこで  ちゅうちゅうネズミはにっこりこ

     お星さまぴっかりこ  夜のお空にぴっかりこ

≪起き上り小法師のやり方≫

 まず、仰向けに寝て、両足を揃えて膝を立てます。背中をまるめて勢いをつけて両足を頭上にもっていきます。次に背中をまるめたまま両手を膝の裏で組み、勢いをつけてゴロンと座った姿勢にまで起き上ります。そしてカカトをおろしたまま両足先で♪ゴロゴロ♪や♪ざっくりこ♪などを歌いながらトントントンと床を打つのです。その時に、膝から足首の間の筋肉(正確に言えば、前脛骨筋の外側)に親指と人差し指をあてて揺すりながら行います。この動きは睡眠時の副交感神経を、活動するための交感神経に戻してくれる働きをします。スッキリと目覚めるためには短時間で効果を上げる有効な一人ほぐしです。

●ゴマの一粒をオハシでつまむ

マメに生きるということは、普通ではやらないような細かいオハシの使い方も大事です。食卓に「ほうれん草のおひたし」が出ました。白い小皿の上に盛り付けられています。おひたしは少しずつつまんでも、5口が6口でなくなります。食べ終えたお皿の上には黒いゴマが数粒残っています。このゴマを1つずつオハシでつまんで口に入れるのです。

普通のオハシでは無理です。私は特に繊細でスッキリしたオハシを選んでいます。軽くて、ほどよく短く、ピシッとまっすぐの木のオハシです。ほんの少し時間はかかりますが、私の悪い目でも白いお皿の上の黒いゴマは見えます。それを軽くつまんで口に入れますと、心は満足して笑みがこぼれます。京都には数か所に「箸工房」という店があって、気に入ったオハシを見つけにいきます。

私はゴマの一粒一粒を、時間をかけてていねいにつまんで口に入れながら、「生きることマメ」を積極的に心することで、マメであることに喜びを感じています。