「生きることにマメ」シリーズ №4
元気になるためにチョットした工夫④
創造的に生きるということは、人間だけに与えられた特権です。その為の豊かな知恵がボディートークだと考えています。
そして一生かけて人生の見事な花を咲かせるのが、私の生きがいとなっています。私たちが人生の花を咲かせるには、毎日の積み上げが大事だと思っています。ボンヤリ過ごすだけでも一日は終わってしまいますが、一瞬一瞬を大事に考えて、一歩一歩良い人生へ向かう努力をしていると、たとえ短い一生であっても大きな成果ができようというものです。
“今日はどんな花で咲こうかな”
ポピーの花を5つ添えて増田明名言集を作っていますが、その一つとして人はそれぞれの人生があって、それぞれの美しい花を咲かせて欲しいと私は願っています。
●しなやかゴミ拾い
高齢者対象の講習会で、一人の男性の質問がありました。「最近、かがむことができなくて、靴下が履けない。どうすればいいのでしょう」そのちょっとした身振りで私にはピンとくるものがありました。
それで「ちょっと膝の裏の力を抜いて、両手を床につけて下さい」と言いましたら、その人は何の問題もなくしゃがんで両手をつきました。私は続けました。「その姿勢で片膝をついて靴下を履いてみて下さい。「ああ、そうか」と、その人は当たり前に靴下を履く動きをしました。靴下が履けなかったのは、膝を突っ張っているためにかがめることが難しくなっていただけのことです。
ここで皆さんにおすすめしたいのは、膝の突っ張りを瞬時にリラックスする意識を持つことの大切さです。立った姿勢から、まず膝をゆるめて、次に腰をかがめて頭をぶら下げて、床に落としたものを手で拾う動きです。「ふわ~ん」と、この順番にかがむと、まるで体を折りたたむように、しなやかに床に落ちたものを拾うことができるのです。
そして立ち上がる時は、頭を上げながら膝を伸ばしていき、それにつれて腰を伸ばしていくと、まるで魔法がかかったようにしなやかな身のこなしができるのです。膝は無意識の中で突っ張ってしまいがちですから、日常生活の中で、時々膝をホッホッと、ちょっとゆるめることを心がけてください。
●手・足・体ナデ
朝、目覚めると、私は乾いたタオルでふんわりと軽く手のひらを撫でます。足の裏も同様に撫でていきます。そして下着を脱いで全身をタオルで撫でます。こするのではなく、そっと素早く撫でるのです。
10分ほど全身をタオル拭きしますと、いつの間にか全身がホカホカと温くなります。きっと体中を包んでいる毛細血管の流れが良くなるからでしょう。特に手のひらや足の裏に神経も細やかに張り巡らされているので、その神経がやわらかな刺激を受けて活発に働いてくれるのではと考えています。
「やれ打つな 蠅が手を擦り 足を擦る」の小林一茶からヒントをもらって始めたことですが、ハエの場合は手を擦ることを、手を合わせて拝んでいるとみたの
です。ハエが手を合わせて、殺さないでと命乞いをしているように感じてできた句だと思います。でも現代の科学では、ハエの6本の足の裏には繊毛がたくさん生えていて、その毛の中のホコリを取り去っている動きだとみていますから、決して命乞いをしていることではないのです。
●肩の荷おろし
人間は元々、四つ足動物から進歩して類人猿となり、やがて更に進化して人間となりました。その証拠に、内臓は直立二足歩行用に発展したというより、むしろ四つ足歩行であった構造を残しています。
四つ足動物の前足は人間では手と呼ばれるようになり、歩くことは足に任せ、手は自由に動かしたり、物を作りだしたりするので、手と足の役割は、はっきりと異なっています。それで手が器用に動く分だけ、手の根元である肩が無意識に構えをつくるようになったのです。
何事かを為さんとする思いが常に働いて、人は無意識に肩を緊張させています。そういうわけで、構えのために肩に力が入る分だけ、腕や手の器用さは制限されます。
私はバイオリニストですが、肩に力が入ったままバイオリンを弾くと、音が固く、自由自在に弓を扱うことができにくくなります。それで一日の中で気が付けば肩の力を落としてリラックスすることを心がけています。どんな仕事にも肩をおろして腕や指をやわらかく保てるようにしていることは大切です。