幸せの青い鳥運動
内なる感性の花を咲かせよう
ベルギーのノーベル文学賞受賞者、メーテルリンク作の青い鳥のお話をご存知ですか?兄のチルチルと妹のミチルは「青い鳥を見つけると幸せになれる」と青い鳥探しの旅に出かけます。でもどうしても見つからず、疲れ果ててお家に帰ると、そこに青い鳥がいたというストーリーです。
これが、作者が伝えたかったメッセージです。幸せの青い鳥の発想はここからきています。
増田明がすすめている『幸せの青い鳥運動』は、 “あなたの内に感性の種がいっぱいありますよ。それに気づき、育て、花を咲かせ、いきいきと生きていきましょう”というものです。
私たちは生まれたときから、自分の身を守る力を持っています。視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚などの五感をよく働かせるのもその力の一つです。自分の生命に良いものは心地良く、悪いものは不快と感じます。心地よい感覚から嬉しい、楽しいという感情が、また不快な感覚から怖い、悲しい、怒りなどの感情が生まれてきます。感性は、この感覚と感情から作られていくものです。
ところで、あなたは花を見て美しいと感じていますか?新しい人との出会いを嬉しいなと思えていますか?慌ただしい毎日の中にいると、些細なことに喜びを感じたり、感動したりする気持ちが失われていきますね。そんな時、いつもの生活をちょっとだけ面白がり、ちょっとだけ工夫をしてみて下さい。そうすると内なる感性が息づき、自然に心がほっこりしてきます。
でも何だか面白がるような気になれないとか、美しいはずなのに美しいと思えない、また何もかも満たされているはずなのに幸せを感じられない時、「自分は鈍いから」とか「感性がないかも?」などと思わないで下さい。そんな時にお勧めなのが、ボディートークの心・体ほぐしです。あたたかい息と手のぬくもりでふんわり体ほぐしをすると、体も心もホッと安心できるので、自然に体や心のシコリやユガミがとれていきます。すると、自分の押し込めていた感情も思いっきり外に出せるようになり、素直に「美しいな」と感じたり、「嬉しいな」と思ったりできるようになるのです。
さらに感性を豊かにしていくには、ミズカラ積極的に意欲をもって自分の関心、興味あることをもっと面白がり、もっと工夫していくことです。
全身全霊で自分の力を発揮すると、「ウワァ~本当にうれしい!」「ウワァ~すごい!!」と飛び上がりそうな感動がうまれてきます。自分の内から沸き起こる全身での感動です。これこそが豊かな感性を育てていく源です。
そんな感動の積み重ねによって、いつか気づくと生きている・生かされている喜びや感謝も感じられるようになっていきます。これが感性の花を咲かせるということです。
ここで大正7年、広島の文学者鈴木三重吉が、豊かな感性を子ども達にと全国の文学者に呼びかけ始まった赤い鳥運動についてお話することにしましょう。この運動によって、芥川龍之介の「蜘蛛の糸」「杜子春」、太宰治の「走れメロス」、小川未明の「赤いろうそくと人魚」などの名作が生まれ、北原白秋、山田耕筰による童謡「からたちの花」や「この道」など音楽性にあふれた歌もたくさん作られていきました。こうしたすぐれた作品によって、日本の子ども達の感性は豊かに育まれてきました。
幸せの青い鳥運動は、赤い鳥運動の精神を受け継ぎ、子どもも大人も誰もが持って生まれた生命の感性をさらに高め、生きる喜びを、自然に、素直に全身いっぱいに表現しようというものでもあります。
全国で開かれているボディートークの表現講座は、どれも幸せの青い鳥運動につながるものです。また、大阪で35年、福岡で37年、広島で20年にわたって毎年開催しているミュージカル公演は、赤ちゃんから高齢の方までが参加し、ともに生きる喜びを分かち合っています。
あなたがどんなに苦しい時、悲しい時も、
幸せの青い鳥は
いつもあなたのそばにいますよ
大阪こどもミュージカルは「ピーターパン」や「オズの魔法使い」「星の王子さま」など世界の名作をテーマに子ども達と大人達が一つになって舞台を作っています。
庄原こどもミュージカルは、広島県庄原市で行われています。子供たち自らがミュージカルの舞台を作り出すことを通して、人間関係作りや、自身を解き放ち内なるエネルギーを発散することを体験し、元気力を高めることを目的にしています。