♪ 水はつかめません。 水はすくうのです
指をぴったりつけてそっと大切に ♪
これは以前にもご紹介したことのある、『水のこころ』という歌ですが、熊本地震が起こったとき、熊本や大分の会員の皆様の心の痛みを少しでもこの両手にそっとすくい、あ たためてあげられたらと、そんな思いでこの歌を歌わせていただいています。
偶然の一致とも言えるように、ちょうど会報で『カメさんは怖い時どうしてる?』の原稿を書き上げ、ペンを置いた瞬間、突然、携帯電話の音が鳴り響き、グラグラッ〜。 福岡に私はいましたが、かなりの揺れでした。
● 頭はクルクル、体は石の防弾チョッキ
最初の数秒は何が起こっているのか、???の状態になりましたが、阪神大震災を 大阪の高層ビルで体験したことのある私でしたから、さほどパニックにはならず冷静でした。ところが夜中になっても連続する大きな振動に、これは今までとは違う、次 の事態に備えて何をどうすればよいのか、と準備を始めました。
頭はクルクルと超ス ピードで回転していきました。
90才の母と一緒に、どこへどのように避難するのがベストなのか? 母の薬は? 食料は? 衣服や貴重品は? 全速力で24時間openのマーケットに駆け込み、頭もクルクル超スピードで回転しながら一晩を過ごしました。(幸い福岡は次の日はそれ ほど強い揺れはなく、避難所も解除されました)
大きな揺れが来た時は、安全な場所を探し、うずくまりました。「ウァ~!!」と、言いながら積極的に体を揺すると、 体が固くなりにくいと感じ、その動きを繰り返していました。しかし、そうしたにもかかわらず、数日後に母に体ほぐしをしてもらうと、今までに体験したことのないほど体全体を固めていました。
地震の翌日から何人ものプライ ベート・レッスンをしましたが、やはりどの人の体も普通の生活でのレベルと異なっ た石のような固さでした。本人はそう感じていなくても、地震が続くと生命を守るた めに作る体の防弾チョッキはこんなにも固くなるのだと感心するばかりでした。
● 生命の危機から自分を守るためにかけた体のカギ・心のカギ
私は今回の地震で、心を通して体をほぐすボディートークの体ほぐしのすごさを、 我が身を通してより深く、また新鮮に体験することができました。それは、
(1)体のしこり・心のしこり(体のカギ・心のカギ)は、自分の生命を
守るためにかけるものであること
(2)カギを開くには、自分の内から開けたいというエネルギーが湧き起
こらなければ開きにくい
(3) 自分の力ではカギが開きにくい時、そこに外からのあたたかい息と手のぬくもり、そしてカギをかけた時の心の状態を表す明解な、しかも共感レベルでの言葉が必要である。ということでした。
また、2のステップになると、私はガタガタと体が震え始め、どんなに熱いオフロや熱いシャワーを浴びても寒さが続き、その後に急に高熱が出始め、そうなると涙が次から次へと流れ出し、「怖かった」とか「助けて欲しかった」との言葉も出しなが らカギを開けようとしていきました。
● フラッシュバックして大掃除
そしてもう一つの新しい貴重な体験をもすることができました。地震のことでかけたカギだけではなく、心の奥の奥に押し込めていた、もう自分ではほとんど忘れてい た幼い頃の心のカギまでが開き出し、一緒に揺れ動き、出ていったのです。
内なるエ ネルギーが火山のマグマのように噴き出してくると、フラッシュバックが起こり、「怖かった」「助けて欲しかった」「傍にいて欲しかった」などと言葉に出しながら、一気に心の大掃除をしていったのです。まだ他にも発見がありましたが、 それはまたの機会にお話しすることにいたしましょう。
● あたたかい息と手のぬくもりで生命を守るボディートークを届けよう
TVでエコノミー症候群 やメタボリックシンドロームにならないようにと紹介されている映像を見た時、皆さんはどう感じられましたか? 「ゴキブリ体操 は声を出してやって欲しい」とか「足をほぐすには、温泉たまごをお互いにやってみて欲しい」と思わず言いたくなりませんでしたか?
今、私はこれから全国どこにでも起こりうる災害のために、子どもも大人も誰も がやれる、もっと効率の高い即効性のある、より役に立つ心ほぐし・体ほぐしを 工夫し、伝えていけたらと願っています。 すでに、もういくつかの新しいほぐし方も考え、セミナーやプライベート・レッ スンで実習していただいています。
これからも、あたたかい息と手のぬくもりを添えて“ボディートークの生命を守る知恵”がより多くの方へ届いていきますよう、努力していきたいと思っています。
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