ふんわりと生命にふれるには?
3回目のオッパイほぐしシリーズです。今回はオッパイほぐしを、ふんわりと行なうためのイメージづくりについて、お話しましょう。
皆さんの<ふんわり>のイメージって、どんなものでしょうか? 青空にふんわりと浮かぶ白い雲、風に揺れるシャボン玉、美味しい綿菓子、ほかほかのお布団、 桜の花びらなど、そのイメージは人それぞれですね。
●ふんわり布使い ― 空気で包む
全国展開しているエンゼルハンズセミナーの、ブログラムの中に <ふんわり布づかい> があります。大きな布、ゴース(薄い透明のファ~ッとした、長さ5mの布)の両端を二人が両手でもって、上下に動かします、布の中に上手く空気が入ると、ファ〜ッと風のように舞い上がり、舞い降りてきます、持っている人が荒々しく使うと、布は怒ったように動き、布に語りかけるように優しく扱うと、まるで風に舞う蝶のように動いてくれます、
私は30年近く、バレエやミュージカルの舞台をやっています。赤ちゃんから幼児、高齢者までが出演しますが、このやわらかなゴースは欠かすことのできない、舞台セットの一つとなっ ています。衣装として使われたゴースは、時には 10m以上もの長い布がセットとして何枚も舞台で動きだすと、空気をたっぷりと含んだ布が、 独特の空間を作り出していきます。このゴース をふんだんに使うことによって、出演者の心が ファ~ッと穏やかにやさしくなり、たちまち舞台が夢のような幽玄の世界になっていきます。そして、布を動かす人の心の有り様を見事に表現してくれるのです。
本来は人の手も、この布のようにやわらかくファ〜ッとしているものなのです。ところが、日常生活の中で重い物を持ったり、複雑な作業を強いられている手は、いつしか固くなり、また自然素材のものでない、固く冷たい人工の創られたものばかりに囲まれている現代の生活では、ふんわりしたものに触れる機会が極端に少なくなってしまっています。
エンゼルハンズセミナーでは、布を自分の心と体のつながりとして、<ふんわり>動かすコツを<メニューの中の‟手の原理”>で学習します。
●手はどこから出ているのでしょう? ≪タコの手のイメージづくり≫
1 自分の手は、オヘソの後ろの部分(両手を後ろに回し、組みます。その手をウ エストラインの中央に置いた位置、腰椎の3.4番の位置です)から付いているとイメージします。 その部位から、背中→肩→腕→肘→指先へと、手が伸びているイメージをしま す。布を持って動かす時も、体ほぐしをする時も、「あっ!手は腰から付いている」と、いつも意識しながら練習してみて下さい。すると、最初は指先だけで体ほぐしをしていた人も、いつの間にか、ふんわりと全身で体に包まれる感覚が、身についていきます。
ボディートークの<マタニティー、子育て>の基本は、ふんわり、ゆったり、たっぷりと、 ですから、おっぱいほぐしも体ほぐしも、このイメージが体を通して実感し、「あ~、生命ってあったかいなぁ〜、良いなあ~」と、感じることで、生命が膨らんでいくのです。
最後に ≪ふんわりタッチの手≫ でA子さんの体ほぐしをされたSさんは「私はただ、少しでも楽になってもらえたらと、寄り添い、ゆったりと 包むように全身を暖めながら、A子さんの体や心の流れがスムーズになろうとする力を、一緒に待ったのです。私も同じように出産、授乳、子育てと、辛い時期を 沢山ありました。
だから、A子さんも赤ちゃんも本当に辛いだろうなと思えました。 A子さんに、「辛かったねぇ~よく頑張っているねぇ~」と声かけしながら、全身に暖かさが伝わっていけるよう、何度もなんども、“温める、溶かす、 流れをつくる”動きを繰り返したのです。
体ほぐしの後、A子さんに笑顔が戻りました。驚くほどに楽になられ、オッパイもよく出るようになりました。今は赤ちゃんと一緒に、元気で毎日を送っているそうです。
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