ボディートークコラム

手の掛からない子は息を詰める?

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人間はどこかで自分を発揮しないと息を詰めてしまう。 その点イジワル出来る人は押さえ込まれた自分自身を曲がりなりにも出しているから救われていると言えるだろう。
問題は人に極端に気を違う真面目な優等生だ。言いたいことをグッと押さえてしまう自己コントロールが強く、か と言ってうっ積した自分自身を別の形で発散させる器用さも持ち合わせていない。

ある時、一人の母親から子供の相談を受けた。小学校に入学したばかりの男の子の悩みだったが、私はその男の子の体ほぐしをしながら、一緒についてきた小学三年生姉の表情がひどく気になった。

「いや、姉の方は問題な いんです」と母親は言った。「明るい性格だし、友達と よく遊ぶし、弟とケンカはしないし、学校の宿題はキチンと済ますし、ホントに手のかからない子なんです」と。

手がかからないと喜んでいるのは親の都合がいいから であって、子供の側からすれば大人の意に添うようにガマンにガマンを重ねているのだ。 このままいくと中学生か高校生になって、きっとうっぷんを爆発させる。

私が直感した のは、女の子のあどけなさの奥に秘めている自己規制の強さだった。男の子のレッスンを終えて、ついでにということで姉の背中も調べてみた。やはり胸椎七番の気違いのしこりと、言いたいことを押さえている胸椎四番左のしこりがしっか りとある。

「弟とケンカをしてもいいんだよ。言いたいことをもっと言ってもいいんだよ」と話しかけながら私はそのしこりをほぐした。ニッコリ笑って、息が緩んで、女の子は大きなアクビを一つした。
その夜、母親から電話があった。「びっくりしました。早速ロゲンカをしています。 こんなこと初めてです。心のしこりをほぐすってすごいことですね」と声は明るく弾ん でいた。

立って行う「背中たたき」では背骨が縦に積み上げられているため、クッション役をしている椎間板にも重力がかかっています。その状態の背骨をたたくのは無理があります。しかしウケテがうつ伏せに寝ている場合は背骨も横になっていますから一本一本の 椎骨や椎間板に重力の負担はなく、ほぐれやすくなっています。

その背骨を整く握りコブシをつくって、たたくというより落とすという感じで行いま す。肩に力が入るとどうしても強くたたいてしまいますので、初心者は「ホッホッ」と 発声しながら肩の上下動をして、頭や腕の脱力をしておいてから行うといいでしょう。

脱力をして落とすようにたたくことが上手くなりますと、たたいでもらっている方は手の重みが体の中にズシッと入ってきて、しかも背中の表面はたたかれている感じがありません。

ピアノを弾く手はもちろん、料理をしたり物を扱っ たり、植物の世話をしたりする手もすべてこのような 手ですると無駄なエネルギーなしに楽々と進むのです。
その意味でも積極的に人の背中を借りて「背骨たた き」で柔らかくて重みのある手を習得してください。

さて背骨を上から下へとたたいていますと、時にピ リッと痛みの走る個所があります。そこは神経が圧迫されている所ですから、周辺も含めて少し念入りにた
たきます。周辺の筋肉が柔らかくなり、骨が本来の在 り方に戻りますと、たたいても痛みはなくなります。

「背骨たたき」の方法
ウケテはうつ伏せに寝ます。 のシテは横に座り、ウケテの背骨を上から下
へと軽くたたいていきます。 ◎ウケテの声が「ウッ」と詰まる所がシコリ やユガミのある個所です。周辺の筋肉も含 めて少し多めにたたいてください。

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コメント

    • がーママ
    • 2021年 12月 16日

    手が掛からない子をうらやましく思っていましたが、子どもに我慢はよくないんですね。
    自由な我が子で、我慢などとは無縁だと思っていましたが、学校や学童で我慢をしているようなので、家でほぐしていけたらと思いました。

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