どうして涙が出るの?前回の続き
● 自分で自分の心や鍵を開くには、ちょっと練習が必要です。
もちろん、この自分で行なう心ほぐし・体ほぐしとしての《あったかハンド》最初はなかなか反応が表れず難しく感じますが、諦めず繰り返して下さ い。徐々に上手になってきますから。コツは、ぬくもりのある手でそっと置くこと。出来るだけ赤ちゃんに語りかけるように、優しく暖かい息で自分の心に声かけをすることです。
声を発することによって、自分の暖かい息が自分の体を包んでくれるからです。反応のない人の中には、自分では 気づかないけれど、もう失感情症や失体感症のレベルまで進行していっている人もいます。
そんな時にはボディートークのブライベート・レッスンを是非受 けてみて下さい。
● 卒業していくあなたたちに贈る言葉
私はかつて、30年近く短大で女子学生の教育に携わってきました。3月には卒業していく彼女達に必ずこの言葉を贈っていました。「これからあなた達が歩いていく人生には、いくつもの困難があるかもしれません。そんな時、これだけは忘れずに思い出して欲しい。自分の生命の灯を自分の息で暖かく灯し続けて生きていって下さい」と。その、これだけというの が、《ボディートークあったかハンド》なのです。
● コウノトリさんにもお願いしたいこと
自殺する子どもは必ず胸椎3番を詰めています。その子らは自分の痛みを誰にも分ってもらえず、自ら自分の生命を絶っていきます。親にとって“我が子 が生命を絶つ”こんな悲しいことはありません。母親になる人は、我が子の死にたいほど苦しい息づかいに気づく力を持っていて欲しい。 これが私が短大教育の中にどんなことをしてもボディートークを入れていきたいと願った理由で した。(その夢は見事叶いましたが・・・)
誰にでできる簡単な方法の《あったかハンド》。今はできることなら、全世界の妊婦さんにも伝えしておきたい・・・と、夢は膨らみます。みなさんもお知り合いのコウノトリさんに《あったかハンド》を伝えてはいただけませ んでしょうか? どうぞよろしくお願いします。
<ボディートークあったかハンド応用編>
● 胸元をふんわりと包む工夫をしてみよう!
先月号に続いてのあったかハンドの紹介をしましたが、プライベート・レッ スンなどで胸椎3・4番を詰めていらっしゃる方にあったかハンドとともにこんなアドバイスをすることがあります。
それは胸元を《ふんわりとしたもので包んであげる》ということです。あっ たたかハンドを胸の上に重なるような感覚で、女性であれば絹や毛のふんわりとした素材のスカーフを胸元に重なるようにして装うのです。男性であればアスコットタイなどもお洒落ですし、胸もああたかです。外に装いが見えるのを好まれない方は、 服の下にふんわりとしたスカーフを置くのです。
自分の身は自分で守るという意識を持つあったかハンドは、とても効果的ですが、いつも両手を胸に重ねたままで生活することはできません。ですからその代わりにふんわりスカーフをするわけで す。
いずれにせよ、胸椎3・4番が温かくなり、息が楽になるというのは効果のひとつですが、《自分で自分の身をいつも守り続けていてあげる》ということを意識し、それを積極的に行動に移していくことが大切です。このアドバイ スを実行された方から「息が楽になりました」とか「自分にも他の人にもやさしくな ったような気がします」という報告をいくつも受けています。
でもこんなことをしなくても、日本の着物を着るだけで私達の胸元は幾重にも重ねられた布であたためられ、体全体がすっぽ りと包まれるのですから、こんな生命にやさしい装いを見直して、生活の中に取り入 れる工夫もいいかもしれませんね。