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おっぱいほぐし パート 1

ふんわりと暖かい手のぬくもりで包んであげましょう!!

妊娠、出産、授乳、子育ては、女性の心と体に大きな影響を及ぼします。この時 期は、女性の持っている自然の力がもっとも膨らむ時期です。ですから、内なる自然の力をうまく引き出す様に心がけると、楽に豊かに過ごすことができます。

ところで「オッパイほぐしのご経験は?」『長い10ヶ月もの妊娠期を過ごし、出 産を終え、「あ~うれしい!」と生まれたばかりの赤ちゃんを抱きしめながら、感 動、祝福のひとときをと思っていたのに、エッ!どうして? お乳が出ないの?泣き続ける赤ちゃん、悲しくなって涙が出そうになる…。乳頭からは血が滲み、身が 縮むような痛いオッパイほぐし。その辛さをジッとガマンして耐えていました』と話される方が多いのに驚かされます。

そこでボディートークの視点からいくつかの アドバイスをしてみましょう。
最初は、妊娠する前からやっておくと効果的な、体ほぐしと運動の紹介です。

● 全身をやわらかく、しなやかにしましょう
1  四つん這いオッパイブラブラ運動(ブラジャ ーは外して行いましょう)
・四つん這い姿勢で「ア~」と声を出しながら、 オッパイもお腹もブラブラゆっくり揺すりましょう。

・乳頭部には触れないで、オッパイの基底部の ところにそっと手を当て、「アー」と声を出しながら乳房をやさしくブラブラ揺らします。 ※毎日寝る前に、自分のおフトンの周りを2周ぐらい「アー」と言いながら、気楽 にゆっくり歩き回ることを勧めています。

2  首・上腕部ほぐし

首のまわり、肩、上腕部、手の部分の筋肉を柔らかくほぐします。

3  片手 ブラブラ、ストン
・ 片手をバンザイするように頭上に上げ、その状態で手をよく振ってス
トーンと下に降ろします。「アー」と声を出しながら行います。

4  肩の荷おろし
片肘を曲げ、「ホッホッホッホッ」と発声しながら、 その肘を上下動させて肩に波を送ります。首は曲げた肘の方に傾けます。

※3、4は続けて行い、もう一方の手も同様に行います。

5  四つん這い 肘ブラブラ (エアー雑巾がけ)
· 四つん這い姿勢で片肘を曲げ、雑巾がけを行なうイメージで肘の先でタテ、ヨコ、ナナメ、マワスと方向を変えながら動かします。肘を床から少し浮かせ、 声は「アー」とか、「ホッホッホッ」とか、自分の息が楽になる声掛けをします。
・ 反対の肘も行います。

こうした運動を、発声を伴いながらすることで、上半身の筋肉、特にオッパイに つながる筋肉がほぐれてやわらかくなり、その部位の血液は神経の流れが良くなるのです。どの動きも、ただ動かすのではなく、まるで自分が赤ちゃんになってお母さんの羊水の中で気持ちよくユラユラ揺れているような、心地良いイメージを大切 にしながらやってみましょう。

ところで、どうしてオッパイが出ないのか?その理由は様々ですが、オッパイが 出ていたのに、突然の精神的なショックでオッパイが止まったというのはよく聞く話ですね。それほどオッパイが出るかどうかは、精神的要因が大きいのだと考えられます。

動物も人も、自分の身が恐怖や危険にさらされると、体を固くして、自分の身を自分で守ろうとします。出産はまさに自然の営みそのものですが、生命がけで全精力を使い切っての営みです。初産でしかも難産だった方であれば、 体のあちこちを固めてしまうのも、当然のことでしょう。ですから、どうか「どうして私だけオッパイが出ないの」と、一人で悲しんだり、自分を責めたりしないで 下さい。まず「よくやったねぇ」「偉かったねぇ」と労わり、誉めてあげて下さい。

ふんわりと暖かい手のぬくもりで、傷ついた心や体を、そっとやさしく包んであげ て下さい。その暖かい息と手のぬくもりの中で、気持ちもホッとゆるんで楽になる 中で、ホルモンの分泌を活発になり、オッパイも出やすくなっていくのです。

でも、自分の身を自分で守るために固めた体は、自分の手では、なかなか緩まないものです。そこで次回は、《《二人で行なう体ほぐし》でのオッパイほぐしにつ いてお話させていただこうと思っています。